次世代「人事」の姿

Xテックは次世代の人事を担えるか

現在、HRテックなど、テクノロジーを使った人事(HR)の改革が喧伝されている。
HRテックというバズワードが広がる一方で、現場の人事ではその導入にまだ踏み込めていない現状もあると聞く。
弊社も外部のベンチャーキャピタリストから「HRテック系の企業」とのラベルを貼られることは多く、その度に私は「ヒトラボは確かにテクノロジーを活用していますが、テクノロジーありきの企業ではなく、サイエンスありきの人事サービスを提供している会社です。むしろサイエンスのバックグラウンドがないHRテックは危ういものと考えています」と答えるようにしている。
そうなのである。現在、テクノロジーの進化により、各分野で「Xテック」、例えばフィンテックが代表的であるが、が進んでいる。その例に漏れず、人事にもテクノロジーをということでHRテックのブーム?ができあがっているのである。

テクノロジー先行の危うさ

しかしながら、人事にしろ金融にしろ、その背景には「理論」と理論を生み出す「サイエンス」がある。ややもすると、テクノロジー先行のサービスは、理論的背景をないがしろにしてしまう傾向がかいまみられる。
例えば、よく見られる「適材適所」をAIで行うというサービスがある。しかし、その本質はあくまでも統計的傾向に基づく「過去、そのポジションで活躍した人に似た人を選ぶ」サービスに過ぎない。
これは、すでにお気づきのよう、「過去の延長」にすぎないのである。

本来の人事とは、経営環境の変化に応じ、適した人材を必要な役割に任ずる「戦略的思考」が必要な業務である。これは決して、過去のデータに基づく、統計的近似では得られないものである。

つまり、テクノロジーを活用するには、その業務の理論的背景やそれを支えるサイエンスを踏まえた上で、テクノロジーを活用することが必要なのである。
さらに、テクノロジーの出すアウトプットのロジックやその限界を知った上で、人間がそのデータをどう使うかという姿勢が問われているのである。

そのような意味で、ヒトラボジェイピーは、サイエンスや理論をベースとしながら、テクノロジーをどう活用するかを考え、次世代の人事の先鞭をつける会社でありたいと願っている。